バーチャルツアーを知る、今回が5回目となりました。
今回はバーチャルツアー導入の費用、納期、注意点についてお話します。
バーチャルツアー導入の費用
「かなり費用がかかるのではないですか」
「撮影のために何日も休館しなければいけないのですか」
バーチャルツアーについてお話をうかがうと、こういったご質問をよくいただきます。
外部の制作業者に依頼すると、実際にどれくらいの費用や時間がかかるのか。まずは費用面から詳しく見ていきましょう。
バーチャルツアーの種類や規模にとって大きく変わってきますが、最小規模なら3万円程度から、規模が大きくなっても100万円を超えるケースはほとんどありません。
映像制作やホームページ(ランディングページなど)に近いと思います。
費用は次のような構成になることが多いです。
初期(制作)費用、取材、撮影、制作
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ランニングコスト(管理費用・維持費用・サーバ費用など)
◎初期費用
初期費用は基本的に制作に関するものです。実写によるバーチャルツアーの場合は現地を訪問して撮影を行うことになります。撮影した画像や、3Dスキャンしたデータを使い、バーチャルツアーを作成します。
バーチャルツアー上には様々な機能を追加できるため、その編集費用も発生します。
2Dタイプのバーチャルツアーでは撮影するポイントを決めておき、撮影を進めます。広さで決まるわけではなく、撮影するポイントの数で撮影料金が変わってきます。
撮影ポイントの数は数ヶ所から数十ヶ所です。このポイントはバーチャルツアーで移動できる地点になります。1ポイントあたり1万円~2万円程度になることが多いようです。
撮影は1ヶ所あたり数分~10分程度、早ければ1~2時間、かなり大きな規模の撮影でも1日で終わることがほとんどです。
◎撮影の様子
3Dタイプのバーチャルツアーは少しずつ撮影ポイントを移動させて、空間スキャンと撮影を繰り返します。この繰り返しによってバーチャルツアー上で歩いて移動する、ウォークスルーが実現します。この撮影ポイントの数はほぼ広さに比例します。
そのため広さを基準に料金設定されていることが多いです。たとえばホテルの客室であれば10~20ヶ所、80平米の戸建て住宅なら30~40ヶ所、大きなホールなら300~500ヶ所と大きく変わってきます。
1ヶ所あたり1~2分程度、100平米くらいなら1時間ほどで撮影可能です。大きな施設になれば1日以上かかることもあります。お休みの日や早朝など営業に支障の少ない日程で撮影を行います。
◎ランニングコスト
バーチャルツアーはインターネット上で動作するサービスです。そのためサーバー維持費、保守管理料金といった名目でランニングコストが発生します。
毎月または毎年となっていて、月単位・年単位での料金になります。これはかなり幅があり、毎月数千円から1万円のこともあれば、3万円~5万円と高額な場合もあります。
バーチャルツアーは期間限定で1~2ヶ月程度で利用することもあれば、数年単位で利用することもあります。長く利用する場合はランニングコストが重要です。
A 初期費用 30万円+毎月3万円 → 3年間だと 計138万円(1ヶ月あたり3.8万円)
B 初期費用 60万円+毎月1万円 → 3年間だと 計96万円(1ヶ月あたり2.7万円)
初期費用が少なく済んでも、長く利用すると逆転することもあるということです。
導入までの期間、納期
バーチャルツアーは導入までの期間が比較的短いのが特徴です。現地での撮影から早ければ2~3営業日で導入できることもあります。
2Dタイプのバーチャルツアーは撮影時間こそ短いものの、制作に時間がかかることが多く、撮影ポイントが多いと2週間~1ヶ月程度かかることもあります。
3Dタイプは3Dモデルの構築をコンピューター(AI)で処理するため、数日で納品が可能です。
当社でもこれまでの実績では撮影から納品まで数日~1週間程度のケースが大半です。
バーチャルツアー導入時の注意点
バーチャルツアーを提供する業者は東京、大阪を中心に以前よりも多くなってきました。どういったことに注意して導入を進めればいいのでしょうか。
・提案内容は適切ですか?
撮影・制作にあたり必要な説明はきちんと受けましょう。撮影計画、意図などが曖昧な場合は注意が必要です。いくつかの業者に見積りを取り、適切な料金か確認しましょう。撮影前に現場で必要な準備についても事前に説明をもらうようにしましょう。
丸投げは厳禁です!
・制作業者の作例・事例を確認しましょう
実際の導入事例を紹介してもらいましょう。経験や実績、技術があるのか見定めることが大切です。一見すると同じように見えても、画質、使い勝手といった完成度には違いがあります。規模の大きなバーチャルツアーの場合は特に実績が大切です。
今回は皆さんが気になる費用や納期についてお話しました。自分で制作する、という選択肢も含めて検討していただくのがよいと思います。