全国から視察が絶えない超人気施設、高稼働で市民からの内覧も難しい。これらの課題を解決する3Dウォークスルーの活用方法とは【茨木市文化・子育て複合施設 おにクル(取材:サントリーパブリシティサービス)】

茨木市文化・子育て複合施設 おにクル様(運営:共同事業体「おにクルみらい」=サントリーパブリシティサービス株式会社、イオンディライト株式会社)では、3Dウォークスルーを導入されました。日々の貸館業務や下見会の運営に携わっている、サントリーパブリシティサービスの塩部様と山田様に、導入の背景や活用の手応えについてお話を伺いました。

ところで…3Dウォークスルーとは?


バーチャルツアーと呼ばれるもののひとつです。インターネット上で遠く離れた場所や空間を、まるでその場にいるかのように歩き回ったり、実際の建物をミニチュアのようにして見ることができます。

7階のプラネタリウム、4階のゴウダホール、3階の多目的室・スタジオ、そして1階のきたしんホールとオープンギャラリーなどで、3Dウォークスルーを導入されました。

体験してみてください! 

例えば、このような課題をお持ちではありませんか?


・平面図だけでは、利用者に“広さや動線のイメージ”が伝わらない
・ホール内部を案内したいのに、稼働率が高く、すぐにご案内できない
・下見会を開催しているが、さらに見込みをあげる施策を探している
・写真やPDF資料を見せても、イメージが湧きづらいと感じられているのでは

これらの課題は3Dウォークスルーで解決できます!
それではお話を伺いましょう。

茨木市文化・子育て複合施設「おにクル」のご紹介


茨木市文化・子育て複合施設 おにクル(以降:おにクル)はJR茨木駅・阪急茨木市駅のちょうど中間地点に、2023年にオープンした新しいスタイルの公共施設。

館内は1階から7階までを貫く吹き抜け構造で、視界の抜けが心地よい開放的なつくりになっています。ホールや会議室、音楽スタジオだけではなく、図書館、こども支援センター、市民活動センター、コワーキングスペース、プラネタリウム、カフェなども入った様々な機能をもちます。開館当初からいつも多くの利用者でにぎわいを見せています。

また、国外(特に台湾)からの視察も増えたと言います。設計を手がけた建築家が台湾でもプロジェクトを持つことから、建築・デザインの観点で注目が集まっているためです。単なる観光にとどまらず、建築技術の見学や文化施設を核とした「まちづくり」の参考にするための訪問が目立ち、海外からの評価が高まっています。

運営はサントリーグループのサントリーパブリシティサービス。同社は、全国各地の文化・公共施設の管理を手がけており、2023年11月からおにクルの指定管理者となりました。

Webサイト https://www.onikuru.jp/

–なぜ導入を決められたのですか?


紙で説明するには限界を感じている

「おにクルは、ホール、会議室、オープンスペースなどで催事が行えます。
利用を検討される方には、“どういう設備があるのか”何ができる施設なのか”をしっかり説明する必要がありました。新しい施設ということもあり、紙の資料では説明が難しい部分があって…その際に3Dウォークスルーは、使えると思いました」

高稼働ゆえに、内覧の“空き”がない

「外から様子が確認できるガラス張りのお部屋も、結局は、中に入らないと分からないことがありまして…。『電源の位置は?』『持ち込み機材のケーブルが届くか?』などの声が寄せられていました。

同じくサントリーグループとして運営に携わっている大阪市中央公会堂や枚方市のホールで、3Dウォークスルーが非常に好評だと聞きました。手がけている株式会社イザンさんの取り組みについて知り、うちでも導入をしたいと思いました」

–バーチャルツアー導入によって、どのような変化がありましたか?


担当者の方が、会場の情報を持ち帰って検討できるようになった

10月16日には、「きたしんホール(多目的ホール)」と「ゴウダホール(大ホール)」で下見会が開催。各回30名程度の事前予約制で、翌年以降の利用を見据え、具体的に検討している方々が参加されました。

「確認されるのは、会場、設備、導線。一度の見学で全てを把握するのは難しく、動画や写真を撮影して検討資料として持ち帰られます。どうしても抜け漏れが出たり、共有がしづらいのではないかと思っていました。

下見会では、3DウォークスルーをリンクにしたQRコードを掲示。帰り際に読み取ってもらえるようにしています。参加できなかったメンバーの方にも共有してもらうことで、事後の意思決定や内部共有にも活用してもらいたいですね。

ホールは、表(客席・ロビー)と裏(楽屋・舞台裏)、そして舞台や客席をつなぐ動線が非常に複雑です。一度訪れただけでは、表から楽屋のスタンバイ場所までどのルートを通り、どれくらいの距離があるのかを正確に把握するのは容易ではありません。“実際に歩くのと同じ目線”で動線を確認できるのも、下見会で好評でした」

10月16日(木) 14:00 – 15:00
きたしんホール(多目的ホール)/15:00 – 16:30 ゴウダホール(大ホール)
各回30名程度(事前予約制・先着順)
Webサイト:https://www.onikuru.jp/notice/20823/


お部屋を見せられない場合にもカウンターで案内、機会を逃さなくなった

『ちょっと見せてもらえませんか?』。立ち寄られた方に対応することもあります。ただ、稼働率が高い施設なので、すぐにホール内部までご案内するのは難しいことが多いのです。やはり室内に入っていただくほうが雰囲気が伝わりますし、利用を検討する際の判断材料にもなります。

そこで、1階カウンターに来られた方には、ご希望があればバーチャルツアーをお見せしています。業務負担の軽減にもつながっています。

ホテルでも同じ例があります。フロントの方が「このようなお部屋がございます」と客室の3Dウォークスルーを見せて案内。さらに、アップセルのご提案をするというものです。似た活用方法と言えます。

オフィスにいながら、細かな問い合わせに答えられるようになった

「画面上で長さを測れる“ものさし(定規)機能”がとても便利なんです。『何センチありますか?』と電話で聞かれることがよくあります。これまでは現場まで測りに行く必要がありましたが、今はオフィスにいながら画面上で計測できるので、すぐに回答できるようになりました」

(イザン)精度は99%程度です!

「お客様との打ち合わせで使いたい」と技術スタッフから申し出

「これまでは平面図をお見せしながら『この辺りに~』と説明をしていました。これだと、利用者の方にも、実際の距離感や動線のイメージが伝わりづらくって。3Dウォークスルーを使うようになってからは、空間の広さや配置を直感的に伝えられるようになりました」

利便性の高さから、技術スタッフのほうから、自分たちも打ち合わせで使いたいと逆提案。

「予想外だったのは、舞台技術のスタッフがとても喜んでくれたことです。主催者の方との打ち合わせで、口頭では伝えにくい部分の説明に役立てています。たとえば、”間口の広さ”や、”どの動線を使うべきか”、”本番の想定”、”会場の雰囲気”といった、先方に伝えやすく分かりやすいと好評です」

(イザン)私たちも、3Dウォークスルーは内覧のツールという認識ではなく、双方のコミュニケーションに欠かせないツールになると考えています。

平面図ではわからない部屋の明るさ、雰囲気を確認できるようになった

平面図では分からない“部屋の明るさ”や“雰囲気”を確認できるのも大きなメリットです。主催者の方から『この部屋で失礼がないか』『出演者にとって最適な環境か』と相談されることがあります。3Dウォークスルーで確認してもらうことで、安心して当日を迎えてもらうための判断材料になりました。

(イザン)各楽屋をパノラマ画像で撮影をしています。

バーチャルツアー活用方法


おにクルの公式サイトでもバーチャルツアーの埋め込みが進められており、貸館の問い合わせページにも掲載される予定です。
ホールについては、一般来場者の方・主催者の方とで公開データを分けています。会場利用者向けには裏動線まで含めたバージョンを、一般公開用には裏動線を非表示にしたバージョンを複製して作成。セキュリティ面に配慮しつつ、必要な情報だけを適切に提供できる仕組みにしています。

–なぜ、イザンに制作を依頼されたのでしょうか?


「どこに気をつければいいか、なんとなく想像はしていたのですが…。イザンさんは、これまでの事例をもとに『ここは写さないほうがいい』『ここは見せたほうが利用者にとって親切』など、運営者の目線ではなく、使う側の視点で提案してくれました。“利用者目線”で都度アドバイスをもらえるのが、とても心強かったですね。

もうひとつ。導入後は自分たちでカスタマイズできるところです。レイアウトの変更や、新しい案内事項が出たときに、こちら側で3Dウォークスルー内に“ピン(タグ)”を追加したり、修正をする編集作業を行っています。

施設では日々の利用状況に応じて運用ルールを変えたり、撮影を行った時点から、設備のレイアウトが変更されたりすることがあります。都度、修正を依頼するのではなく、撮影時と現在の状況のギャップを、自分たちで埋められます」

イザンでは、ご希望があれば、編集画面の操作をレクチャーを行っています。毎回ちょっとした変更のたびに依頼するのは、お手間になりますし、スピードも落ちてしまいますよね。スタッフの方の意見を集約して、どんどん内容を更新していけると、コンテンツの質が上がり、利用者の満足度や成果にもつながります。結果として“使いやすさ”に直結する部分だと思います。

まとめ:3Dウォークスルー導入によって、期待できる効果


1. 利用者が迷わず検討でき、決断までが圧倒的に早くなる

  • 距離感・動線・雰囲気が直感的に伝わる。
  • 「この会場で開催するイメージ」がその場で湧く。
  • 主催者の不安「本当にこの部屋で良いのか」「当日の動線は問題ないか」がその場で解消され、前に進みやすくなる。

2. 問い合わせ対応がラクになりスタッフの方の負担が減る

  • 「今すぐ知りたい」質問にも、現場へ行かずその場で答えられる安心感
  • 計測も即時にできるため、回答に迷ったり焦ったりする場面がなくなる
  • 本来必要な案内や提案に集中できる。
  • 来館者が感じる応対のストレスが減る。

3. 下見後の“気づけなかったポイント”がゼロに近づき、主催者の不安を解消

  • 複雑な動線・裏方動線を繰り返し何度でも再確認できるので、当日の“思わぬトラブル”の予防につながる。
  • 参加できなかったメンバーも同じ情報を共有でき、組織内の認識がそろう。
  • 「ここなら間違いない」という安心感が決め手になり、CVが上がる。
  • 会場選びの“最後の一押し”として強く機能する

おにクルは “誰にでも開かれた場所” で、足を運ぶだけでも新しい発見がある施設です。稼働率が高いという事実は、それだけ支持され、必要とされているという証拠でもあります。これは本当にすごいことだと思います。

ぜひ一度、気軽に訪れてみていただきたいですし、会場としても実際に使ってみてほしいと思います。多彩な機能と空間がそろっているので、「やりたい」と思った使い方が、実現できるはずです。


おにクルで導入されているバーチャルツアー

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