製造業におけるバーチャルツアー(3Dウォークスルー)導入事例
バーチャルツアーは、施設の見学や案内をオンラインで効率化するツールとして注目を集めています。バーチャルツアー導入により大きな効果を得られたMICE分野のホテルと大型会議室3社の導入の背景、ポイント、そして成果について紹介します。
近畿地方 大型会議室での導入事例
大幅な経費削減実現。スタッフも「働きやすくなった」と実感
導入前の課題
利用者の問い合わせ対応や見学の手配に多くの時間がかかっていました。また利用中は内覧できない、遠方から来ていただいていても使っている部屋は見ていただけないということに申し訳ないとも感じていました。
- 電話による問い合わせ:月に12件、のべ3時間を要していた。
- 見学対応時間:月に10件、のべ10時間を消費。
- 細かな確認作業:月にのべ10時間。
- 紙やメールの作業:月にのべ12時間。
これらの合計で月に約15時間、年間では約180時間が削減可能な無駄な時間として見積もられていました。
導入時のポイント
- オンライン内覧の提供:バーチャルツアーにより遠方や利用中の見学を断る必要がなくなる。
- 新規配属スタッフの教育:バーチャルツアーを教育資料として活用することで効率化。
スタッフの負担が減ったことで、「働きやすくなった」ことも大きな成果になったということです。
導入後の成果
- 業務効率の向上:
- 電話や見学対応などで月16時間、年間約190時間の削減。
- 細かな確認や紙・メール作業の削減も含め、年間40万円以上のコスト削減。
- 利用者数の増加:オンライン見学の導入により、見学者のハードルが低くなり、最終的に利用者が増加。
- コミュニケーション改善:
- 「これまでは無駄が多かったとわかった」という声があり、相手との意思疎通がスムーズに。
- 「なくなると困る」との声もあり、導入効果が明確に評価されている。
導入費用:1年半ほどで導入コストは回収
- 初期費用:70万円(大会議室など複数の会議室とホワイエなど共用部)
- 年間維持費:約3万円
利用増につながり、結果としても売上も増えたことから導入効果は非常に大きいものとなりました。
近畿地方 シティホテルでの導入事例
営業、接客など複数の場面で活用。非常に大きな売上増を達成
導入前の課題
シティホテルでは、電話や窓口での問い合わせ対応が日常的に発生していました。また、業態としてインバウンドが増え、外国人とのやり取りが多く、コミュニケーションのミスやクレームが課題でした。
- 電話や窓口への問い合わせ:毎日数件、のべ月に30時間。
- 紙やメールの作業時間:月にのべ5時間。
これにより、月に合計30時間以上、年間では約360時間の削減可能な時間が発生していました。
導入時のポイント
- 問い合わせ対応の効率化:バーチャルツアーを案内に活用することで、問い合わせや見学の対応の負担が減る。
- 営業活動への活用:旅行代理店への営業時や代理店での利用を想定。フロントでも使いたい。
- 多言語対応:外国人利用者向けにインバウンドやMICE(国際会議・イベント)に対応可能な内容を提供。
導入後の成果
- 業務効率の向上:
- 問い合わせ対応や紙・メール作業で月20時間、年間約240時間を削減。
- コスト削減効果は年間50万円以上。
- 顧客満足度の向上:
- バーチャルツアーがミスコミュニケーションやミスマッチを防ぎ、クレームが減少。
- 売上向上:
- 法人営業、海外への営業、展示会での活用により大型予約が増加し、年間2500万円以上の売上増加につながる。
- 社内スタッフの研修資料として活用することで、理解度が向上し業務が円滑化。
導入費用
- 初期費用:80万円(バンケット、ラウンジ、フィットネスジム、客室数タイプ)
- 年間維持費:約10万円
バーチャルツアーの導入による総合的な効果
導入後、あきらかに「相手とのコミュニケーションが改善されたと感じる」との声。「なくなると困る」、「図面とPDFには戻れない」「これまでは無駄が多かったとわかった」といったうれしい感想をいただきました。
会議室とシティホテルの事例から明らかなように、バーチャルツアーの導入は業務効率化やコスト削減だけでなく、顧客満足度や売上の向上にも大きく寄与します。問い合わせ対応の時間短縮や、遠方からの見学を可能にするなどの効果は、現代のデジタル化社会において欠かせない要素となっています。活用の仕方によってはDXを一気に進めてくれるものとなります。